写真家・映画監督として世界的に活躍する蜷川実花の作品世界では、鮮やかな色彩と意図的な光の角度によって被写体の秘められた魅力が極限まで引き出されている。彼女のポートレート写真に見られるポージングは、身体をわずかにカメラに対して斜め30度に傾け、肩のラインに動きをつけるのが特徴だ。正面から棒立ちで写るのを避けるだけで、ウエスト周りやフェイスラインが引き締まって見える。
また、家族の絆と写真の魅力を描き話題となった映画『浅田家!』でも描かれているように、良い写真には「被写体が何かに夢中になっている瞬間」や「物語を感じさせるポーズ」が不可欠だ。カメラを意識しすぎず、手元に小道具を持ったり、誰かと会話している途中の自然な動作を取り入れたりすることで、引きつった表情から解放され、生きた表情がレンズに記録される。