本作最大の魅力は、「安室透(喫茶ポアロ店員)」「降谷零(警察庁警備局警備企画課・通称ゼロ)」「バーボン(黒ずくめの組織)」という過酷な多重生活を送る男の、わずかな隙間に存在する“普通の時間”を描き切った点にあります。
朝起きてからのストイックなトレーニング、ポアロで提供するオリジナルサンドイッチの仕込み、そして夜間の極秘任務。張り詰めた緊張感の中で生きる降谷零が、ふとした瞬間に見せる穏やかな表情や料理へのこだわりは、ファンにとってたまらないサプライズの連続でした。
また、右腕である風見裕也とのコミカルな掛け合いも見逃せません。本編では冷徹な上司と忠実な部下として描かれることの多い2人ですが、『ゼロの日常』では風見の不器用な日常や、降谷の意外な面倒見の良さが存分に描かれ、両キャラクターの好感度を大きく押し上げる要因となりました。