近年、この区間には新たな旅の文脈が加わった。大ヒットした新海誠監督の映画『すずめの戸締まり』において、主人公のすずめが九州から旅立つ足跡の一部として日豊本線沿線や関連スポットが注目を浴びた。映画のファンが作中の空気を追体験すべく、大分駅から佐伯駅へと南下するルートを辿る姿が定着している。
旅の終着点となる佐伯駅を降り立てば、日本屈指と称される寿司の街が広がる。豊後水道の荒波で引き締まった鮮魚を驚くほどの厚切りで提供する名店群や、歴史的な武家屋敷が立ち並ぶ城下町の風情。改札を出た瞬間から、濃密なローカル文化が旅人を迎える。