本作の持つ圧倒的な浸透力を語る上で欠かせないのが、日本を代表する音楽プロデューサー・亀田誠治の手腕です。椎名林檎や平井堅、スピッツなど数々の国民的ヒットを世に送り出してきた亀田氏は、小倉しんこう氏の生み出した切なくも温かいメロディラインを、過剰な電子音に頼らない生楽器主体のオーガニックなアレンジで包み込みました。
楽曲の骨格を成すのは、あたたかみのあるアコースティックピアノと、空間を包み込むようなストリングスセクションです。イントロの静謐なピアノフレーズから、Aメロ、Bメロと進むにつれて徐々にベースとドラムが熱を帯び、サビで一気に視界が開けるダイナミクスは、聴き手の感情を自然な高揚へと導きます。
特筆すべきは、サビで用いられる「カノン進行」を巧みに応用したコードワークと、メロディの跳躍です。聴き手に安心感を与える王道のポップス構造を持ちながら、JUJUのハスキーで芳醇な中低音から伸びやかな高音へと駆け上がるメロディラインが、胸の奥を締め付ける切なさを生み出します。亀田誠治 プロデュース JUJUの黄金タッグだからこそ成立したこの緻密なプロダクションが、楽曲に15年以上の風雪に耐えうる強靭な普遍性を与えたのです。