100メートルの歴史を振り返ると、手動計時時代の10秒台前半から、電動計時が導入された1968年のジム・ハインズによる9秒95、カール・ルイスの9秒86、そしてアサファ・パウエルやボルトの時代へと、100メートル走世界記録推移は着実に縮まってきました。
では、人類の限界速度はいったいどこにあるのでしょうか。米オランダのティルブルフ大学などの統計学者チームによる極値理論を用いた研究では、男子100メートルにおける人間の究極の限界タイムは9秒51前後、バイオメカニクス研究者の一部からは「理想的な反応速度と最大出力を保てば9秒4台まで到達可能」とする推計も発表されています。
しかし、そのためには2メートル前後の長身でありながら、従来の軽量級選手以上の回転スピードを生み出す、文字通り「遺伝子の奇跡」と呼ばれる選手が出現する必要があります。