順調に見えた牛丼太郎のビジネスモデルでしたが、2000年代以降、外食産業を取り巻く環境は激変します。最大の打撃となったのが、2003年末に発生した米国産牛肉のBSE(牛海綿状脳症)問題です。牛丼の主原料である米国産牛肉の輸入停止により、調達コストが急騰。資本力に勝る大手チェーンが豚丼への切り替えや多角化メニューで急場をしのぐ中、薄利多売の単一業態に近かった深宮商事は甚大な打撃を受けました。
さらに追い打ちをかけたのが、2000年代後半から2010年代初頭にかけて激化した大手チェーンによる「牛丼値下げ戦争」です。大手が並盛280円セールなどを恒常化させたことで、牛丼太郎の唯一無二の強みであった価格的優位性が相対的に薄れていきました。原材料費の高騰、仕入れ規模の格差、そして店舗老朽化に伴う維持費の増大が重なり、資金繰りは急速に悪化。2013年8月、深宮商事は東京地裁へ破産を申請し、約20店舗あった系列店は次々とシャッターを下ろすこととなりました。