インターネット上で散見される誤解のひとつに、「ラム骨ラーメン=ジンギスカンのような強烈なクセがあるのではないか」という懸念があります。しかし、実際の調理工程を観察すると、その認識が的外れであることが分かります。
庄野氏が構築したスープ設計は、ラム骨の不要な血抜きと下処理を徹底し、豚骨の厚みあるボディと合わせることで、羊肉の良い風味だけを抽出しています。さらに、カルダモンやクミンをはじめとするオリジナルブレンドのスパイスが後味を爽快にまとめ上げているため、いわゆる「生臭さ」は一切感じられません。
また、「自家製麺が濃厚スープに負けてしまうのではないか」という疑問に対しても、計算された麺線幅と茹で上げ温度の管理によって完璧なコシが保持されています。スープの力強さと麺の風味が互いを打ち消し合うことなく、相乗効果を生み出す緻密な構造こそが、この一杯の真骨頂です。