サインコサインタンジェントとは?仕事とゲームを激変させる数学の本質

サインコサインタンジェントとは?仕事とゲームを激変させる数学の本質

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現代ではデジタル技術の心臓部として機能している三角関数ですが、そのルーツを辿ると、三角関数の誕生の歴史と経緯は「生き残るための天文学と航海術」に直結していました。

起源は紀元前2世紀の古代ギリシャに遡ります。天文学者ヒッパルコスは、夜空に輝く無数の星々の運行を正確に記録するため、円の弦の長さを計算する数表を作成しました。これが三角関数の直接の祖先とされています。星の動きを知ることは、農耕の種まき時期を予測し、季節の移り変わりを知るための国家的な最重要課題でした。

その後、この技術は5世紀のインドへと渡り、弦の半分を意味する「ジャー(半弦)」という概念が誕生します。これが現在の「サイン」の原型です。さらに8世紀から13世紀にかけてのイスラム黄金期において、数学者アル=バッターニーらによって天文学と融合しながら幾何学として大幅に洗練されました。「正接(タンジェント)」は、日時計の棒が地面に落とす影の長さの研究から独立して生み出されたものです。

ヨーロッパにこの技術が逆輸入された15世紀から17世紀の大航海時代、三角関数は文字通り船乗りたちの命を繋ぐ技術となりました。見渡す限り水平線しかない大洋のど真ん中で、船長たちは六分儀を使って北極星や太陽の高度(角度)を測り、三角比の数表をめくって自船の正確な位置を割り出しました。三角関数を持たなかった船は航路を失い、座礁や遭難という悲惨な結末を辿るしかなかったのです。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。