相違点ばかりに注目が集まりますが、動物細胞と植物細胞の共通点こそが、すべての真核生物に共通する生命活動の根幹です。試験でも「両方に存在する器官をすべて選べ」という設問が頻出します。
まず挙げられるのが核と染色体の構造です。核は核膜という二重膜に包まれ、内部には遺伝情報の設計図であるDNAを含む染色体が収められています。細胞の活動や分裂を統括する司令塔としての機能は、動物でも植物でも完全に一致しています。
次に、生命エネルギーの通貨であるATP(アデノシン三リン酸)を生み出すミトコンドリアの役割です。ここで多くの学習者が陥る誤解が、「動物はミトコンドリアで呼吸し、植物は葉緑体で光合成する」という短絡的な二項対立です。
実際には、植物も自ら合成した糖をミトコンドリアで分解し、生命維持に必要なエネルギーを取り出しています。光合成と細胞呼吸の仕組みにおいて、植物は昼夜を問わずミトコンドリアによる呼吸を行い、光の当たる昼間にのみ呼吸量を上回る光合成を行っているに過ぎません。植物細胞にもミトコンドリアが多数存在することは、高校生物基礎の頻出ポイントです。
さらに、細胞の内外を隔てて物質の出入りを司る細胞膜と細胞質基質も共通しています。細胞質基質は液状の環境を提供し、酵素反応や解糖系など基礎的な代謝プロセスを支え続けています。