国際海事機関(IMO)が推進する温室効果ガス(GHG)排出削減規制も、スエズ危機の複雑化に拍車をかけている。航路を迂回して航海距離が伸びることは、それだけで燃料消費量と排出量の急増を意味するからだ。
この環境規制と地政学リスクの挟み撃ちというドラマチックな構造は、NHKスペシャルの報道番組やNetflixの社会派ドキュメンタリーなどでも大きく取り上げられ、連日トップの国際ニュースとして世界中に配信されている。環境負荷を下げつつ、いかに安全で持続可能な輸送ルートを確保するか。グローバルな海運業は、創業以来とも言える極めて困難な試練に直面している。