ノースキャンダル。完璧なプロ意識。渡辺麻友という名前は、アイドル戦国時代において「完璧な少女」の代名詞だった。私生活の匂いを一切漂わせず、ファンの幻想を100%体現し続ける姿勢は、賞賛と同時に彼女自身の息の根を止めるほどの重圧となっていた。
四六時中、誰かのカメラや視線に怯える生活。極限状態の日常で、感情を吐き出し、ただの20代の女性として呼吸できる場所。それが「裏のアカウント」だった。宝塚歌劇団への情熱、過密日程への愚痴、人間関係の吐露。画面に並んでいたのは、清純派のイメージとは異なるものの、どこにでもいる一人の若い女性の等身大の素顔に過ぎなかった。