朝まだき暗闇のなか、ベルが鳴り響くと同時に始まる競り場。そこは独特の手法「手やり」と呼ばれる指の合図が飛交う戦場だ。鮮魚卸売業を営むベテランの仲卸たちは、尾の切り口の脂の乗りや肌の張り、さらには血抜きの状態までを瞬時に見極める。
近年、水産庁のデジタル化推進に伴いトレーサビリティの整備が進むが、最終的な質の判断はプロの五感に委ねられている。一般向けに開催される競りツアーに参加すれば、一般人は足を踏み入れられない緊張感と、プロが仕入れる最上級の魚がどのように選別されているかを間近で体験できるはずだ。