平日の昼下がり、境内を観察すると興味深い光景に出会う。ベンチに腰掛け、スマートフォンの画面を見ることなく、ただ境内の木々を眺めているオフィスワーカーたちの姿だ。絶え間ない通知と情報過多に晒される日常から離れるため、あえて「何もしない時間」を過ごす場所として神社が選ばれている。
近隣のIT企業に勤める30代の男性は、「ランチ後の15分間、ここで深呼吸をするのが毎日のルーティン。デジタルから物理的に離れられる唯一の聖域」と明かす。境内が持つ独特の静寂は、現代のストレス社会に対する天然の処方箋となっている。