防災の現場で長年議論されてきたのが「空振り」による住民の警戒心の麻痺(いわゆる狼少年効果)だ。しかし、猛烈な勢力を維持したまま上陸する台風が増加した現在、行政の意識は「空振りを恐れず、早めに空振らせる」方向へ舵を切った。
気象庁が発表する危険度分布(キキクル)や早期注意情報は、地域ごとの避難要請とシームレスに連動している。高齢者や要支援者はレベル3(高齢者等避難)が出た時点で即座に行動を起こし、一般住民もレベル4(避難指示)で夜間を迎える前に移動を完了させることが鉄則だ。「結果的に台風が逸れて良かった」と捉える防災リテラシーの定着が求められている。