2020年5月1日、アメリカ・カリフォルニア州南部でマット・キーオが64歳で急逝したというニュースは、日米の球界に大きな衝撃を与えました。長年親しまれたレジェンドの突然の死に対し、SNSやネット掲示板では様々な推測が飛び交いました。
一部のネットコミュニティでは「現役引退後の事故の後遺症ではないか」「私生活のトラブルが原因ではないか」といった根拠のない憶測が散見されました。キーオは現役引退直前の1992年、春季キャンプ中にダグアウトで打球を右側頭部に受けて重傷を負い、緊急開頭手術を受けた過去があります。この記憶が生々しかったことから、脳の損傷や後遺症と結びつける声が上がったのです。
しかし、現地の検視報告および米メディア(ロサンゼルス・タイムズやAP通信など)の報道によると、直接の死因は「肺塞栓症(pulmonary embolism)」と公式に発表されています。肺塞栓症とは、血栓が肺動脈を閉塞することで急激な呼吸困難や循環不全を引き起こす重篤な疾患です。ネット上で語られがちな外傷性の後遺症や過剰な飲酒説などは事実誤認であり、突然の血管系トラブルが命を奪ったというのが医学的・客観的な事実です。