インターネット上のレシピ動画やSNSで散見される情報の中には、料理の仕上がりを損ねてしまう誤解も少なくありません。現場のプロの視点から、特に注意すべき2つの盲点を解説します。
誤解①:「肉汁は多ければ多いほど美味しいソースになる」
ローストビーフから大量に出た赤い液体をすべてフライパンに投入してしまう人がいますが、これはNGです。ドリップの中には肉の旨味だけでなく、余分なアクや酸化した古い脂、血液由来の生臭さが含まれています。プロは肉汁を一度茶こしで濾し、上澄みの浮いた余分な脂を取り除いてからソースに加えます。このひと手間を省くと、後味が重く濁ったソースになってしまいます。
誤解②:「安価な料理酒で赤ワインの代用は完璧にできる」
料理酒には塩分や糖分が添加されていることが多く、そのまま赤ワインと同量置き換えると塩辛く仕上がってしまいます。さらに、グレイビーソースの奥深さを生み出す「ブドウ果皮由来のポリフェノールと酒石酸」が料理酒には含まれません。ワインを使わず和風に寄せる場合は、料理酒ではなく「酒+みりん+少量のバルサミコ酢(またはリンゴ酢)」をブレンドすることで、ワイン特有の果実酸と深みを補うのが正解です。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
手作りグレイビーソースは、肉料理のクオリティを劇的に引き上げる反面、献立全体のバランスや食べる人の好みに合わせた選択が重要です。
- 手作りをおすすめしたい人:
- 赤身肉やもも肉のステーキ、低温調理ローストビーフのパサつきをカバーし、ジューシーに味わいたい人
- 市販のソース特有の保存料の匂いや甘ったるさが苦手で、キレのある上品な洋食を楽しみたい人
- ホームパーティーや記念日で、レストランのような盛り付けと本格的な風味を演出したい人
- 市販品活用やシンプル調味を検討すべき人:
- サシ(脂身)が極めて多いA5ランク黒毛和牛のサーロインなどを焼く場合(脂に濃厚なソースを合わせると胃もたれの原因になるため、わさび醤油や岩塩が適しています)
- 調理に10分以上の時間をかけられず、洗い物を最小限に抑えたい平日の時短調理時