近年、人事院は国家公務員試験において教養区分の秋季実施や日程前倒しを断行し、民間就活生が併願しやすい仕組みを矢継ぎ早に打ち出している。一方の総務省も、全国の自治体に対してSPI方式の導入や受験年齢制限の緩和を推奨してきた。その結果、何が起きているのか。
受験者数の数字が減少し、見かけの倍率が「3倍台」「2倍台」に落ち込んだとしても、それは記念受験層の脱落に過ぎない。本気で対策を積んできた上位層の厚みは変わっておらず、合格ボーダーラインの得点率は依然として高止まりしている。筆記試験の負担が軽減された分、合否の決定権は個別面接や集団討論へと完全にシフトした。人事院や各採用当局は、机上の知識だけでなく「職務への定着性」と「変革への適応力」を冷徹に見極めている。