漢字の成り立ちを理解することは、記憶を強固にし、文字に対する愛着を深める最良の手段です。歌の成り立ちと意味を古代文字(甲骨文字・金文)の時代まで遡って紐解きます。
左側の「哥」は、持ち手のある祈りの器(口)の上に神への呼びかけを重ね、声を張り上げて「うたう」様子を象った文字です。一方、右側の部首「欠(あくび)」は、人間が口を大きく開けて息を吐き出している姿を表しています。
つまり「歌」という漢字は、「神仏や祖霊に対して口を大きく開け、感情を込めて声を長く引き伸ばしながら祈りの言葉を唱える姿」そのものを文字化したものです。単に娯楽としての音楽を指すだけでなく、古来より人間の強い祈りや情動を声に乗せて解き放つという神聖な行為が、この14画の中に凝縮されています。