「コンセントに挿せば電気が通るからまだ大丈夫」という過信こそが、電気火災を招く最大の要因です。消防庁や製品安全評価基盤機構(NITE)の公表データによれば、配線器具を原因とする火災事故は年間を通じて数多く報告されており、その多くが経年劣化と不適切な使用環境に起因しています。
テーブルタップの内部には銅合金の電極スプリングが組み込まれており、プラグの抜き差しを繰り返すうちに保持力が低下します。緩んだプラグ接点は接触抵抗を増大させ、わずか数百ワットの通電でも異常発熱を起こす原因になります。さらに、タップ本体の樹脂部分は部屋の紫外線や温度変化、ホコリの付着によって硬化し、絶縁性能が失われていきます。
特に危険なのが、コンセントとプラグの隙間に溜まったホコリが空気中の湿気を吸って微小放電を繰り返す「トラッキング現象」です。焦げ臭いにおい、コードの異常な熱さ、プラグの変形やグラつきに気付いた段階で、すでに製品寿命の限界を超えています。火災の危険から住まいと家族を守るためには、外観の破損を待つのではなく、購入から3〜5年が経過した時点で計画的に買い替える運用が鉄則です。