Q1:「お知りする」「ご存知する」はなぜ間違いとされるのですか?
A1:敬語の成り立ちとして、「お」や「ご存知」は相手の行為を高める尊敬語の要素だからです。謙譲表現は自分の立場を低くして相手を立てる言葉遣いであるため、自分自身の「知る」という動作に尊敬語のパーツをくっつけるのは文法的な自己矛盾となります。正しくは「存じる」「存じ上げる」を用います。
Q2:文化庁が定める「謙譲語と丁重語の違い」は、実務でどう意識すればよいですか?
A2:実務では「立てるべき特定の人が動作の先にあるかどうか」だけで判断できます。「佐藤様を存じ上げる」のように、向かう先に具体的な相手・人物が存在する場合は「謙譲語(謙譲語Ⅰ)」です。一方、「仕様変更の件は存じております」のように、単に聞き手に対して自分の状態を丁寧に報告するだけの場合は「丁重語(謙譲語Ⅱ)」と捉えれば間違いありません。
Q3:「承知いたしました」と「存じております」はどう使い分ければいいですか?
A3:時間軸と文脈が異なります。「承知いたしました」は相手からの指示・依頼・情報提供を「今、理解して引き受けた」という能動的な受諾を表します。一方で「存じております」は「以前からその情報をすでに知っている・把握している」という過去からの知識状態を表します。指示メールに対して「存じております」と返すと「そんなことは前から知っている」というニュアンスになり失礼に当たるため注意してください。