なぜゲンスルーというキャラクターは、これほどまでにファンを魅了し、声優の演技論が盛んに交わされるのでしょうか。その理由は、彼が単なる快楽殺人鬼ではなく、「合理主義者でありながら、仲間との絆を持つ奇妙な人間性」を併せ持っている点にあります。
ゲンスルーは5年間もの歳月をかけて他プレイヤーの信頼を勝ち取り、情報を集め、冷徹に大量虐殺を実行したシリアルキラーです。しかしその一方で、サブやバラに対しては一切の裏切りを行わず、対等な仲間として信頼を寄せ、治療を受ける順番すら仲間を優先しようとする倫理観を残していました。
小山剛志氏の重厚な芝居は「悪の組織の冷酷なリーダー」としての統率力を際立たせ、吉野裕行氏の鋭利な芝居は「目的のために手段を選ばない神経質なエリート」の脆さを浮き彫りにしました。この二重構造こそが、二人の名優によって異なる輝きを与えられたゲンスルーの本質と言えます。
【プロの結論】新旧アニメのどちらを鑑賞すべきか?選択の判断基準
これから『HUNTER×HUNTER』を視聴する、あるいはグリードアイランド編を見返そうとしているアニメファンに向けて、演出方針の違いを踏まえた選び方の基準を提示します。
▼ 旧アニメ版(OVA Final)が向いている人:
・セル画の質感が残るダークで重厚なアニメーション表現が好みな人
・洋画のサスペンスやハードボイルド作品のような、威圧的で腹の底から響く悪役の重低音ボイスを堪能したい人
・鳥海浩輔氏や竹本英史氏らを含めた、平成初期の豪華声優陣のアンサンブルを楽しみたい人
▼ 新アニメ版(日本テレビ版)が向いている人:
・原作漫画のスピーディーな展開と現代的で洗練された作画クオリティを重視する人
・知能犯特有の神経質さや、狂気の裏に潜む人間的な弱さ・動揺をスリリングに体感したい人
・キメラアント編へと続く一連の壮大なサーガとして、統一された世界観の中で物語を追いたい人