なぜ「はやし」は、これほどまでにメニューを絞り込み、大盛りもライスも置かないのでしょうか。飲食マーケティングおよび行動心理学の観点から分析すると、ここには極めて高度な「選択のパラドックス(決定回避の法則)の打破」と「シグナリング効果」が存在します。
心理学者バリー・シュワルツが提唱したように、人間は選択肢が多すぎると選ぶことに認知的負荷を感じ、結果として満足度が低下する傾向があります。はやしが提示する「実質3品、麺の増量は不可」という潔さは、顧客に対して『この比率、この分量こそが最も美味しく味わえる黄金比である』という強力なシグナルを発信しています。顧客は迷うことなく一杯に集中でき、店側もオペレーションロスを極小化して熱伝導や茹で加減の精度を極限まで高めることができるのです。
この徹底した美学を踏まえ、編集部が導き出した「おすすめできる人」と「慎重になるべき人」の判断基準は以下の通りです。
おすすめできる人の条件
- 無化調かつ重層的な素材の旨味を、雑味のない静かな環境でじっくり味わいたい人
- 大判の極上チャーシューや半熟焼き玉子など、職人技が光る一級品の具材を堪能したい人
- 「大盛りで満腹になること」よりも、「一杯としての完璧な調和と余韻」に価値を感じる人
慎重になるべき人(他店を検討すべき人)
- ラーメンと一緒に白米をかきこみたい人、または麺大盛り・替玉で限界まで満腹になりたい人
- 友人や同僚と4名以上のグループで訪れ、おしゃべりを楽しみながらゆっくり食事をしたい人
- 昼の時間帯に渋谷を訪れることが難しく、夕方以降や日曜・祝日にしか時間が取れない人