園のシンボルとして1954年の開園当時から子どもたちを乗せ続けてきた「もくば館(国登録有形文化財」。現役で稼働する日本最古の木馬遊具として知られるこの建物が、2026年に向けた最新の改修計画において最大の焦点となっている。木造平屋建ての素朴な円形校舎のような佇まいは、経年劣化との果てしない戦いの歴史そのものだ。
関係者への独自取材によると、現在進行している「前橋市中央児童遊園再生プロジェクト」では、建物の外観や木馬が刻んできた独特の艶を一切損なうことなく、耐震補強と駆動部分の精密オーバーホールを両立させる極めて高度な工法が採用されたという。単に古いものを新品に取り換えるのではない。70年以上前の職人が削り出した木肌の凹凸、幾重にも塗り重ねられたペンキの層までをも「記憶のアーカイブ」として残す方針だ。
さらに園内インフラの近代化も着実に進む。ノスタルジックな手売り切符の風情を維持しつつ、混雑時の行列を緩和するための非接触型決済やデジタル整理券システムの実証実験が一部でスタートした。「レトロの皮を被った近代施設ではなく、本物の昭和を現代の安心感で包み込む」。設計担当者が語ったその言葉に、今回の再生にかける覚悟が滲む。