「時間が経つと海苔がゴムのようになって噛み切れない」「蓋を開けたら海苔が縮んでご飯が露出していた」という失敗は、海苔の性質と蒸気の水分が原因です。プロの料理人が実践する3つの仕込みテクニックを押さえるだけで、冷めても驚くほど歯切れの良い絶品のり弁が完成します。
まず最大のポイントは、海苔に無数の微細な穴や切れ目を入れることです。調理前にフォークの先や爪楊枝で海苔全体を軽く突くか、包丁の刃先で細かく格子状の切り込みを入れておきます。あらかじめ一口大(3〜4cm四方)に手でちぎって敷き詰める「ちぎり海苔方式」も非常に有効です。繊維が分断されるため、箸でもすっと切れ、ご飯と一緒に口の中で心地よくほどけます。
次に重要なのがご飯の温度管理です。炊きたてのアツアツご飯に直接海苔を乗せると、急激な蒸気で海苔の縮みと過度なふやけが発生します。ご飯をお弁当箱に詰めたら、粗熱をしっかり取って湯気が落ち着いてからタレとおかかを敷き、海苔を重ねるのが鉄則です。
さらに、味の決め手となる「醤油と鰹節の敷き方」にも黄金比が存在します。鰹節に直接醤油をドバドバとかけると塩分が一箇所に偏り、ご飯がベタつく原因になります。小皿で鰹節、醤油、みりん少量をあらかじめ和えて「おかか煮」の状態にしてからご飯の上に薄く広げることで、均一な旨味の層が生まれます。ご飯・おかか・海苔を2段に重ねる「ミルフィーユ仕立て」にすると、どこを食べても豊かな出汁の香りが広がる極上の仕上がりになります。