かつて古民家といえば、「維持費がかさむ」「寒い」「耐震性が不安」といったネガティブな文脈で語られることが少なくなかった。しかし、その固定観念はここ数年で完全に崩れ去った。根底にあるのは、画一的な都市部のタワーマンション暮らしに対する世代的な倦怠感と、本物の質感を求める本物志向の高まりだ。
不動産流通業界のデータによれば、2026年の古民家関連の成約件数は前年同期比で約35%増加。特に築80年以上の伝統構法で建てられた物件に対する評価が急上昇している。ハウスメーカーが作る既製品の住宅では決して再現できない職人技の木組や、年月を重ねた漆喰の風合いが、他にはない高い付加価値として認められる時代が到来したのだ。