アニメファンにとって、榊原良子という存在はクシャナだけにとどまらない。『機動戦士Zガンダム』および『機動戦士ガンダムZZ』で演じたハマーン・カーン役もまた、彼女のキャリアを象徴する不朽の名演として知られている。気高く、美しく、そしてどこか悲劇的な運命を背負った女性指導者。
80年代半ば、アニメ界では女性キャラクターの描かれ方に大きな変革が起きていた。単に守られる存在、あるいは主人公を引き立てるためのヒロインという枠組みを超え、自らの信念のために戦い、組織を率いる女性たちが台頭し始めたのだ。その先頭に立っていたのが、榊原が声を吹き込んだキャラクターたちだった。彼女の発する毅然とした声は、当時の若者たちに強烈な衝撃を与え、時代の空気を一変させた。