近年の犯罪心理学や最新のプロファイリング手法によって、当時の現場状況と犯人像の再分析が進められている。現代の捜査視点から浮かび上がるのは、極めて高度な「秩序型」と衝動的な「無秩序型」が複雑に入り混じった特異なパーソナリティだ。
犯行が行われたのは午後2時半から夕方にかけての白昼。被害者は警戒心の強い性格で、面識のない人物を安易に家へ上げることは考えにくかった。そのため、当初は顔見知りによる犯行説が濃厚とみられたが、靴を脱いで室内に上がった形跡や争った痕跡の少なさから、セールスマンや点検業者を装って侵入した可能性も浮上した。侵入から殺害、異様な処置を施して逃走するまで、犯行に費やされた時間はわずか数十分から1時間程度とみられる。
最新のプロファイルでは、犯人は強い支配欲求と女性に対する激しい敵意・ミソジニー(女性嫌悪)を抱えた単独犯である公算が高いとされる。赤ん坊を直接刺殺しなかった点については、胎児そのものへの加害が目的ではなく、「母胎を破壊し、異物を挿入する」という行為そのものに異常なカタルシスを感じていたサイコパス的気質が指摘されている。犯行後に何食わぬ顔で日常生活へ戻り、自らの犯行を誇示することなく沈黙を守り続けた冷淡さこそ、この事件が持つ最も戦慄すべき真相の一角である。