アイリスという名称は、ギリシャ神話に登場する虹の女神「イリス(Iris)」に由来する。天と地を結ぶ架け橋として神々のメッセージを人々に届けた女神の姿が、天空の虹のように多彩な色を咲かせる花となぞらえられたのだ。
この花が持つ花言葉もまた、その神話的背景を力強く反映している。「吉報」「希望」「信じる心」「メッセージ」。とりわけ深く鮮烈な青や紫の品種は、見る者に知性と気品、そして静謐な意志を感じさせる。ヨーロッパの王家では、紋章(フルール・ド・リス)として権威と神聖さの象徴に採用された歴史も持つ。
東洋と西洋を問わず、アイリスは人々の願いや誓いを託すキャンバスであり続けた。時代が移り変わろうとも、その青と紫のグラデーションに潜む神秘的な輝きが失われることはない。