「他人事」の読み方はどっち?文化庁調査と放送基準が明かす真相

「他人事」の読み方はどっち?文化庁調査と放送基準が明かす真相

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結論から言えば、本来の正しい読み方は「ひとごと」である。しかし現代において「たにんごと」を完全な間違いと切り捨てることは、もはや言語の実態に即していない。この二重構造こそが、多くの人を悩ませる混乱の元凶だ。

文化庁が定期的に実施している「国語世論調査」のデータを見ると、その劇的な変化が浮き彫りになる。かつては少数派だった「たにんごと」と読む人の割合は年々増加し、直近の調査傾向では幅広い世代で「たにんごと」派が「ひとごと」派を逆転、あるいは拮抗する状態が定着した。とりわけ若年層から中年層にかけては、7割以上が「たにんごと」を日常語として受容している現実がある。

一方で、言葉の厳格な番人である放送メディアはどう対応しているのか。NHK放送文化研究所が策定する放送用語基準では、原則として「ひとごと」を標準的な読みとして維持している。ニュース番組のアナウンサーが原稿を読む際、テロップに「他人事」とあっても音声は必ず「ひとごと」と発声される。ただし、ドラマのセリフや市井のインタビューなど、生きた会話のリアリティを優先する場面では「たにんごと」の使用も許容されるなど、放送現場でも柔軟な運用が模索されているのが実情だ。

森 瞳
著者

森 瞳

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