あれほどの反響を巻き起こしながら、なぜ続編や劇場版が制作されないのか。その背景には、脚本家・金城一紀の妥協なき作家性と、作品が踏み込んだテーマの危うさがある。金城自身、当初から物語の完結編を視野に入れていたと囁かれているが、国家権力の暗部やテロリズムを真正面から扱う内容は、社会情勢の変化に伴い、映像化のハードルが極めて高くなったとされる。
加えて、小栗旬や西島秀俊をはじめとする主要キャスト陣の多忙を極めるスケジュール、そして「あの完璧なラスト以上の切れ味を提示できるのか」という制作サイドの強い矜持も要因の一つだ。安易な続編を作って作品の持つ鋭利な毒を薄めるくらいなら、未完の傑作として歴史に刻む。そのストイックな判断こそが、本作をカルト的な伝説たらしめている理由なのかもしれない。