お腹にガスや便が停滞して生じる腹部膨満感の原因は、大きく「生活習慣や機能性の乱れ」と「器質的な器質性疾患(臓器の物理的障害)」の2つに分類されます。大半は腸管運動の一時的な低下によるものですが、痛みの性質や付随する症状によっては早急な医療介入が欠かせません。
日常的に見られる代表格が便秘とお腹の張りの悪循環です。腸内に滞留した便が異常発酵を起こし、メタンや硫化水素などのガスが大量発生することで腸壁が内側から過度に引き伸ばされ、鈍い鈍痛や差し込むような痛みを引き起こします。さらに、ストレス社会で急増しているのが過敏性腸症候群(IBS)のガス型です。自律神経の乱れから腸管が知覚過敏に陥り、微量のガスであっても強い張り感や痛みとして知覚されてしまいます。
一方で、警戒すべきは物理的な通過障害です。特に開腹手術の既往がある人に起こりやすい腸閉塞の初期症状では、腸管が癒着やねじれを起こし、激しい差し込み痛とともにおならが出ない腹痛が継続します。また、みぞおちの鈍痛から始まって次第に右下腹部へと痛みが移動する虫垂炎の兆候とお腹の張りも、見過ごされやすい初期サインの一つです。