DIY愛好家や一部のネット動画で「車のフロントガラス用ガラコをお風呂の鏡に塗ると強力に水を弾いて曇らなくなる」という情報が拡散されていますが、これは浴室環境においては絶対に避けるべき危険な誤用です。
ガラコに代表される車用撥水剤の主成分はシリコーンやフッ素樹脂であり、水滴を丸めて弾き飛ばす「撥水性」を持たせるものです。自動車の走行風であれば水滴は吹き飛びますが、無風の浴室では撥水された細かな水滴が球状のまま鏡面に無数に留まり続けます。その結果、親水コーティングとは正反対に、乱反射が極限まで高まって視界が真っ白に塞がれる「逆効果」を引き起こします。
さらに深刻なのは、撥水シリコーン被膜が浴室内の石鹸カスや皮脂を強力に吸着し、頑固な「油膜汚れ」として焼き付いてしまう点です。一度鏡に固着したシリコーン油膜は通常の浴室用洗剤では落とせず、専用の強力ガラスコンパウンドで物理的に削り落とすしかなくなります。浴室の鏡には必ず「親水性」の製品を選ぶことが鉄則です。