スーパーサイヤ人といえば金色の髪。その不文律をあえて打ち破った発想こそが、すべての始まりだった。生みの親は、当時キャラクターデザインを手掛けた中鶴勝祥氏だ。原作者である鳥山明氏が築き上げたサイヤ人の「大猿」というルーツを掘り起こし、人間と大猿を融合させるという大胆なスケッチを描き出した。
仕上がったラフ画を見た鳥山明氏もその完成度を絶賛したという逸話が残る。東映アニメーションの制作陣が挑んだのは、単なるインフレの延長線ではない、肉体と本能の回帰だった。アイラインを縁取る紅の隈取り、引き締まった筋肉、そして胸元を大胆に露出させた毛並み。洗練されすぎない禍々しさが、唯一無二のカリスマ性を生み出している。