近年、食品工学の分野では匂い分子の結合・包接作用に関する研究が飛躍的に進展した。実験室レベルの検証によって、単なる民間療法と片付けられていた食材たちの驚異的な消臭スペクトルが次々と数値化されている。
緑茶に豊富に含まれるカテキンは、ポリフェノールの一種として強力な酸化還元作用を持ち、臭気物質の構造を分子レベルで破壊する。食中や食後に温かい濃い緑茶をすすることは、理にかなった強力な防衛策だ。また、パセリや青汁、大葉などに濃密に含まれる緑色色素クロロフィル(葉緑素)は、胃腸内で発生した硫黄化合物を吸着し、体外へそのまま押し流すフィルターのような働きを担う。
文部科学省が公表する日本食品標準成分表のデータを参照しても、これらの野菜類が持つ微量栄養素やフラボノイド類の含有率は群を抜いている。ニンニク料理を食べる際には、パセリを単なる彩りとして残すのではなく、最後の一口としてしっかり咀嚼して飲み込むことが、科学的に最もスマートな選択なのだ。