椿屋珈琲の原点であり、その世界観の象徴ともいえるのが「銀座花椿通り 椿屋珈琲 本店」だ。足を踏み入れると、アンティークステンドグラスから漏れる柔らかな光と、磨き込まれた漆黒の柱が目を奪う。店内を包むのは、西洋文化と日本的情緒が鮮やかに交差した「大正ロマン」の美意識そのものである。
食器へのこだわりも徹底している。提供されるカップやソーサーの多くは、上質な有田焼や高級陶磁器。指先に伝わる陶器のなめらかな質感、唇に触れたときの心地よさまで計算し尽くされている。コストパフォーマンスや回転率ばかりが叫ばれる現代において、贅沢な空間体験そのものを商品価値として提供し続ける姿勢こそが、大人たちを惹きつけてやまない理由だ。