造形美の核にあるのは、徹底した地元特産品へのこだわりだ。背負っているのは北斗市が誇る新鮮なホッキ貝。そして胴体を構成するのは、道南を代表するブランド米「ふっくりんこ」のシャリである。この2つの名産をドッキングさせた結果、なぜか生物学的な合理性を完全に無視した四肢が生え、感情を読み取らせない顔面が乗っかった。
着ぐるみが初めて公の場に姿を現した日のどよめきは、今も語り草だ。一般的なマスコットのように愛想よく手を振るのではない。無言で立ち尽くし、突如として関節の軋みを感じさせるような独特の動きを見せる。時折見せる四つん這いの体勢は、子どもを泣かせ、大人を歓声を上げさせた。この生理的なざわめきこそが、計算され尽くした視覚的フックだった。