『特命係長 只野仁』の魅力は、主人公を取り巻く濃密な人間関係と、役割が明確に分担された盤石のキャスト陣にあります。大手広告代理店「電王堂」の総務二課を舞台に、社内外の個性派キャラクターが複雑に絡み合っていました。
櫻井淳子演じる清楚な秘書・坪内紀子が「昼の只野」と心を通わせる一方で、三浦理恵子演じる真由子は「夜の只野」の秘密を完全に共有する背徳的なパートナーという対比構造が見事に機能していました。高橋克典と三浦理恵子は長年にわたる撮影を通じて厚い信頼関係を築き、現場ではアドリブを交えながらテンポの良いシーンを作り上げていたことが、当時のメイキング特番などでも明かされています。