四股の歴史は、相撲が神事として行われていた古代にまで遡ります。語源は諸説ありますが、醜悪なものや悪霊を踏み潰す意味の「醜(しこ)」を大地に踏み込んで鎮める「四股(しこ)踏み」に由来するという見解が有力です。
相撲の土俵は神聖な結界であり、力士が地面を強く踏み鳴らす行為は、地中に潜む邪気や悪霊を払い清め、五穀豊穣と大地の平安を祈願する宗教的儀礼でした。現在の大相撲力士稽古でも、準備運動にとどまらず「土俵の神と対話し、自身の重心を地球の中心と結びつける神聖な時間」として重んじられています。
歴代の大横綱たちも「四股に始まり、四股に終わる」と口を揃えており、単なる筋力強化を超えた精神統一と身体操作の真髄がここに凝縮されています。