右翼の街宣車はなぜ黒塗りなのか?大音量の目的と警察が手を出せない真相

右翼の街宣車はなぜ黒塗りなのか?大音量の目的と警察が手を出せない真相

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一口に街宣車といっても、そのベース車両は多岐にわたります。最も象徴的なのはマイクロバスや大型観光バスを改造した「装甲型街宣バス」ですが、近年は都市部での機動性を重視したワンボックスカーや高級セダンも急増しています。

街宣活動で使われる車種の主力は、トヨタ・コースターや三菱ふそう・ローザといったマイクロバスです。室内空間が広く、大型の音響機材、自家発電機、複数名の活動員を乗せて長距離移動できる利便性があります。一方、警備が厳重な大使館周辺や狭い路地での機動活動には、トヨタ・ハイエースや日産キャラバンなどのバン型車両が重宝されます。幹部クラスの移動には、トヨタ・センチュリーやクラウンなどの国産高級セダンが随伴するケースも少なくありません。

これらの車両には、一般的な乗用車とは全く異なる政治結社特有の車両装備が施されています。

窓ガラス全面に張り巡らされたスチール製の金網は、反対勢力や抗議者からの投石・火炎瓶攻撃を防ぐための防護柵です。バンパー部分は鉄パイプや極厚の鋼板で補強され、バリケード突破や追突時の耐久性を高めています。さらにルーフ上には、定格出力数百ワットから千ワット級に達する巨大な拡声器(ホーンスピーカー)が四方に配置されています。

では、なぜ耳をつんざくような大音量で軍歌を流すのか。その目的は主に3点に集約されます。

1つ目は、「ターゲットに対する心理的圧力」です。抗議対象となる企業ビル、大使館、官公庁の周囲を旋回しながら大音量を浴びせることで、業務を妨害し、精神的ストレスを与えて要求を呑ませやすくする手法です。
2つ目は、「自陣営のアイデンティティ誇示と周囲の音の遮断」です。軍歌は彼らにとって愛国心と団結の象徴であり、警察の警告放送や一般市民の抗議の声を圧倒・無力化するシールドの役割を果たします。
3つ目は、「街頭でのアテンション獲得」です。良し悪しは別として、日常の風景を一変させる音響によって強制的に周囲の注目を集めるプロパガンダ手法の一環といえます。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。