昭和から平成初期にかけて、知育菓子に対して「色が毒々しい」「化学薬品のようで体に悪そう」といったネガティブなイメージを抱いていた保護者は少なくありませんでした。親世代から「買い与えたくない駄菓子」として敬遠された経験を持つ読者もいるはずです。しかし、この言説は知育菓子の安全性と原材料に関する完全な誤解です。
クラシエが公表している開発基準によると、同社の知育菓子全製品において合成着色料および保存料は一切使用されていません。あの鮮やかな色の変化や発泡は、すべて植物や果実に含まれる自然界の化学反応を利用したものです。
例えば、「ねるねるねるね」の象徴的な色の変化には、紫キャベツやブルーベリーに含まれるアントシアニン系色素が使われています。アントシアニンは酸性では「赤紫色」、アルカリ性では「青緑色」に変色する性質を持ちます。最初にクエン酸を含む粉を混ぜることで酸性の赤色になり、次に重曹(炭酸水素ナトリウム)を含む粉を加えることで中和されて弱アルカリ性の青色へと変化するのです。さらに、重曹とクエン酸が反応して発生する炭酸ガスが、卵白粉末などの気泡保持成分と合わさることで、あのふんわりとした泡のボリュームを生み出しています。
クラシエは2010年代以降、パッケージに「合成着色料・保存料ゼロ」「カルシウム配合」といった安心マークを明記し、Webサイト上でも原材料のトレーサビリティやアレルギー情報を網羅的に開示しています。現場の保育士や小児栄養の専門家からも「台所にある食材と同じ原理で作られており、極めて安全性の高い科学教材である」と高く再評価されています。