ネットニュースやSNSでは「第七世代は全滅した」「一過性のブームに過ぎなかった」という極端な言説が散見されますが、これらは実態を正確に捉えていません。ここには2つの大きな認識のズレが存在します。
第1の誤解は、「テレビの露出減=芸人としての衰退」とみなす旧来のモノサシです。2020年代半ば以降、エンタメの収益構造は劇的に変化しました。劇場チケットの配信売り上げ、YouTubeのメンバーシップ、単行本の印税、企業タイアップなど、テレビ出演以外のマネタイズ手段が確立されています。地上波のひな壇に縛られない活動を選択している芸人たちを「消えた」と呼ぶのは、視聴形態の変化を無視した見方に過ぎません。
第2の誤解は、「第七世代という括りが芸人自身によって作られた」という思い込みです。命名の発端こそせいやのラジオでしたが、それを巨大なムーブメントに仕立て上げ、短期間で使い倒したのはテレビメディア側でした。当事者である芸人たちの多くは、ブームの最中から「世代で一括りにされることの危うさ」を自覚しており、ブームが去ったことで本来やりたかった芸風へシフトできたというのが現場の偽らざる実感です。