インターネットの検索窓に「シロキ工業 やばい」という予測変換が表示される現象は、求職者やビジネス関係者の不安を掻き立てています。取材班がSNS、社員口コミプラットフォーム(OpenWork、ライトハウス等)、業界関係者の声を多角的に分析したところ、この風評の正体は以下の3点に集約されることが判明しました。
第1に、前述した「上場廃止」という事実に対する一般的な誤解です。非上場企業となった経緯を知らない層が「業績不振で倒産危機に陥ったのではないか」と勘違いした投稿がネット上に拡散したことが、ネガティブワード形成の引き金となりました。
第2に、製造現場が抱える過密な稼働サイクルと交替勤務の負担です。特にシロキ工業の主力拠点である豊川工場(愛知県豊川市)をはじめとする生産拠点では、トヨタの増減産計画に直接左右されるため、繁忙期には休日出勤や夜勤が重なります。現場系オペレーターの「残業が多くて体力的にきつい」「三交代勤務がきつい」といった率直な嘆きが、「やばい」という言葉に置き換わって表出した側面があります。
第3に、グループ内の事業再編に伴う組織の流動性です。アイシン傘下に入った後も、トヨタ紡織など他のグループ企業との間で事業の整理や移管が幾度となく行われており、所属部署の再編成や担当業務の変更を経験した社員たちの戸惑いが、社外へ漏れ伝わった結果と言えます。