どれほど爪が早く伸びても、薄く脆くてすぐに割れてしまっては意味がありません。美しく強い爪を育むためには、爪の構造を支える生化学的なアプローチが欠かせません。
爪の主成分ケラチンは、アミノ酸が複雑に結合した硬質タンパク質です。このケラチンを効率よく生合成するために最も不可欠な栄養素が、亜鉛とタンパク質の摂取です。亜鉛は細胞分裂時のDNA合成とタンパク質代謝を司る酵素の補因子として機能し、不足すると爪に白い斑点が現れたり、縦筋が深くなったりします。赤身肉や魚介類(特に牡蠣)、卵、大豆製品をバランスよく日々の食事に取り入れることが、質の高い爪母細胞を生み出す基本線となります。
また、健康的な美爪の長さをキープする上で見落としてはならないのが、爪の裏側で皮膚と爪甲を繋ぎ止めている「ハイポニキウム(爪下皮)」の存在です。ハイポニキウムは爪床への細菌侵入を防ぎ、爪のピンク色の部分(ネイルベッド)を支える極めてデリケートな組織です。爪を早く伸ばそうとして深爪を繰り返したり、乾燥を放置したりするとハイポニキウムが後退し、爪が薄く割れやすくなります。ネイルオイルや高保湿クリームを爪の表層だけでなく、裏側のハイポニキウムまで行き渡らせるデイリーケアが、健康な爪の成長を促進させる防壁となります。