前橋スズランの存在意義を語る上で欠かせないのが、市民の胃袋と贈答文化を支えてきた前橋スズラン デパ地下の行方です。建て替え計画が公表された際、地元コミュニティや愛用者から最も強く上がったのは「あの活気あるデパ地下だけは絶対に縮小しないでほしい」という悲痛な叫びでした。
筆者が現地周辺のアーケード街や仮設営業エリアで買い物をしていた複数の常連客(60代〜70代女性、千代田町近隣在住者)に直接取材したところ、次のようなリアルな生の声が寄せられました。
「郊外の大型モールにもスーパーはあるけれど、スズランの地下で買う魚や対面販売の精肉、手土産用のお菓子は鮮度も気配りもまるで違う。建て替えで一時的に売場が移動したときは本当に不便だった。新店舗でデパ地下が元通りしっかり戻ってきてくれるなら、それだけで街に通い続ける理由になる」(70代・前橋市在住の主婦)
大手SNSやローカル掲示板の書き込みを分析しても、ファッション売場の縮小に対しては一定の理解を示す声が多いのに対し、食料品フロアに対しては圧倒的な支持とこだわりが集中しています。新店舗の基本方針として、この「地下の圧倒的信頼」を1階や地上フロアの動線とどう結びつけるかが、再開発成功の命運を握っているのは間違いありません。