ホルモン焼きの真骨頂は、食感のコントラストにある。網の上で丸まり、内側に甘い脂を閉じ込めるシマチョウ。サクッとした歯切れの良さとミルキーな旨味が広がる上ミノ。それらが炭火の燻煙をまとい、特製ダレと融合した瞬間の爆発力は筆舌に尽くしがたい。
部位ごとにミリ単位で変えられる包丁の入れ方、余分な水分を完璧に飛ばす下処理。これら職人の細やかな仕事があるからこそ、濃厚な脂も決して重たくならず、次の一杯、次の一切れへと手が伸びる。煙に燻されながらジョッキを傾ける時間は、現代人が忘れかけたプリミティブな食の悦びそのものだ。