高架下とは?薄暗いガード下がおしゃれ空間へ激変した真相と活用最前線

高架下とは?薄暗いガード下がおしゃれ空間へ激変した真相と活用最前線

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長年にわたり「薄暗い・うるさい・煙たい」というイメージが定着していた高架下が、いまやトレンドを牽引する高架下商業施設へと激変したのはなぜでしょうか。単なる流行の移り変わりではなく、そこにはインフラ維持と都市経営が絡み合った高架下再開発の理由が存在します。

最大の契機となったのは、鉄道高架橋の大規模な耐震補強工事です。1995年の阪神・淡路大震災や2011年の東日本大震災を経て、鉄道各社は首都直下地震や南海トラフ巨大地震に備え、高架橋柱の崩壊を防ぐ「鋼板巻き立て」「炭素繊維巻き立て」などの耐震補強を急ピッチで進めました。この工事を実施するためには、高架下に密集していた既存の老朽店舗を一時的に立ち退かせ、構造物を完全にスケルトン(骨組み)の状態に戻す必要がありました。

更地となった広大な連続空間を前に、鉄道各社は従来の個店ごとの貸し出しから、一体的なマスタープランに基づく高架下再開発プロジェクトへと大きく舵を切りました。人口減少やリモートワークの定着によって鉄道の定期券収入が頭打ちとなるなか、各社は沿線価値を高める「非鉄道事業(不動産・流通・SC事業)」の収益化に活路を見出したのです。

その先駆けとなったのが、東急電鉄と東京メトロが手掛けた中目黒高架下リノベーションです。東急東横線・日比谷線の高架下およそ700メートルにわたる細長い空間に、蔦屋書店をはじめとする高感度なテナントを連ね、高架下を「分断された裏通り」から「街と駅をつなぐ回遊路」へと昇華させました。薄暗い隙間空間をあえてインダストリアルなデザイン資産として捉え直したこの成功が、全国の鉄道高架下における空間革命の起爆剤となったのです。

石川 優花
著者

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。