感染性胃腸炎(ノロウイルス、ロタウイルスなど)やエンテロウイルス感染症による発熱では、水のような下痢や激しい嘔吐が重複する。この過酷な病態下における「下痢や吐き気を伴う発熱時の食事」には、通常の風邪とは異なる厳格なプロトコルが求められる。
嘔吐が激しい発症直後の2〜3時間は、胃が極度の拒絶反応を示しているため、経口摂取を完全に一時停止(絶飲食)する。吐き気が小康状態に入ったのち、常温の経口補水液をスプーン1杯(約5ml)から開始する。固形物は一切口にしてはならない。下痢によって失われるカリウムを補うため、回復期には具を完全に濾(こ)した野菜スープや上澄み粥を微量ずつ投入していくのが基本原則である。
平熱に下がった後の油断も禁物だ。解熱直後の消化器は、数日間にわたる戦闘で粘膜が剥離し、萎縮している。「熱が引いたから」といきなりステーキや揚げ物を口にすれば、数時間後に激しい腹痛と再下痢に見舞われることになる。「解熱後の回復食おすすめレシピ」として最も安全かつ再起を促すのが、以下の「かきたま出汁煮込みうどん」である。
【胃腸を労わる究極のかきたまうどん処方箋】
鍋に水300mlと無添加の和風出汁、少量の醤油・みりんを沸かす。市販のうどん半玉を指で細かく短く切りながら投入し、麺のコシが完全に消え去るまでクタクタに煮込む。最後に溶き卵1個を回し入れ、完全に火を通して半熟〜固化させる(生の白身に含まれるアビジンによる消化阻害を回避するため、発熱時は完全加熱が原則)。仕上げにくず粉または片栗粉でとろみをつければ、胃壁を保護する膜を形成しながら、良質なたんぱく質と糖質を完璧に同化させることができる。