正しい金額を準備しても、神仏への敬意を欠いた所作では意味を成しません。特に混同されやすい神社と寺院の参拝作法の決定的な相違点を頭に入れておく必要があります。
参拝の全工程において、まず鳥居(神社)や山門(寺院)をくぐる前に立ち止まり、浅い一礼を捧げます。参道の中央は「正中(せいちゅう)」と呼ばれ、神仏の通り道とされるため、歩行時は左右どちらかの端を歩くのが基本です。手水舎で手と口を清めた後、いよいよ賽銭箱の前へと進みます。
賽銭箱にお金を納める際、遠くから放り投げる行為は「投げ銭」と呼ばれ、極めて無作法とみなされます。神仏へ直接手渡すような意識で、静かに滑り込ませるように納めてください。その後、鈴がある場合は力任せに振り回さず、澄んだ音を響かせるように一度鳴らします。
ここからの拝礼手順が神社と寺院で明確に分かれます。
【神社の基本作法:二礼二拍手一礼】
深いお辞儀を2回行い(背筋を伸ばし90度近く倒す)、胸の高さで両手を合わせます。このとき、右手の指先を左手より少し手前に引いて(ずらして)から、肩幅程度に手を開いてパンパンと2回打ち鳴らします。その後、指先を揃えて手を合わせ、心の中で祈念を捧げ、最後に深く1回お辞儀をします。
【寺院の基本作法:合掌一礼】
寺院では絶対に拍手を打ってはいけません。静かに胸の前で手のひらをぴったりと合わせ(合掌)、目を閉じて頭を傾け、心の中で仏様への感謝と祈りを捧げます。祈願が終わったら、最後に深く一礼をします。