職場の上司や年配世代から「年間休日110日もあるなら十分だろう」「昔はもっと休みが少なかった」などと言われ、辛さを口にできずに抱え込んでしまう人がいます。しかし、カレンダーの構造を論理的に分解すると、年間休日110日の実態がいかに過酷であるかが浮き彫りになります。
1年は52週あり、単に土曜日と日曜日をすべて休むだけで「104日」の休日が必要です。年間休日が110日ということは、カレンダー上のすべての土日を休んだ場合、お盆休みや年末年始休暇、ゴールデンウィーク、さらには年間16日ある国民の祝日を合わせたすべての日数のうち、わずか「6日」しか追加の休みが存在しない計算になります。
そのため、年間休日110日を採用している企業の多くは、以下のような勤務形態を敷いています。
- 祝日は原則として出勤日扱い(祝日休みなし)
- 祝日や大型連休を休みにする代わりに、月1〜2回の土曜出勤が義務付けられている
- 盆休みや年末年始休暇がカレンダーの土日と重ならない限り、各2〜3日程度と極端に短い
このような勤務体系では、せっかくの週末が「日曜日だけの単発休み」になる頻度が高くなります。労働生理学や産業保健の現場でも指摘されている通り、人間の身体は「1日だけの休み」では仕事の緊張状態(交感神経優位)からリラックス状態(副交感神経優位)へ完全に切り替えることが難しく、単なる「寝だめ」や家事の消化だけで休日が終わってしまいます。翌週への体力を回復しきれないまま次の勤務サイクルに突入するため、疲労物質とストレスが体内に蓄積し続け、「寝てもだるさが抜けない」という慢性疲労に陥るわけです。