ぶどうの芽かきで誰もが最初に直面する壁が、「どれを残し、どれを摘み取るべきか」という選択です。ぶどうの1つの節(芽座)からは、通常1本だけでなく、複数の芽が重なるように萌芽します。ここを無選別のまま放置すると養分が分散し、果実が太らないばかりか、花芽そのものが退化して落ちてしまいます。
以下の模式図は、春の芽吹き期における新芽の構造を示したものです。作業前に頭の中でこの立体関係をイメージできるようにしておきましょう。
【ぶどうの節(芽座)から萌芽した新芽の構造図解】 (上方向へ伸長)
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┃ 葉先 ┃
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┃ ┣━━━ [ つぼみの塊(花穂)] ←【最重要:これがあるか!】
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┃ ┃ 〔細く頼りない芽〕
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┃ 主芽 ┃ ┃副┃
┃(太い)┃ ┃芽┃
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━━━前年枝(結果母枝)━━━━━━┻━━━━━━━━━━┻━━━━━━━━━
節(芽座)
【判定アクション】
・主芽(残す):中央から力強く伸び、軸が太く、第3〜4葉あたりにブロッコリー状の花穂が見える。
・副芽(かき取る):主芽の脇から寄り添うように細く生えている。花穂が無い、もしくは極めて小さい。
・不定芽(かき取る):古い幹や枝の途中から唐突に出てくる芽。樹形維持目的以外は即座に指で除去。
主芽と副芽の見分け方は、太さと花穂(かすい=将来のぶどうの房)の有無に集約されます。主芽は中心部に位置し、芽鱗を力強く破って太い軸を伸ばします。新梢が5cmほどに伸びて葉が3枚ほど開いた段階で、葉の付け根付近を観察すると、小さな緑色の粒が集まったミニチュアのブロッコリーのような「花穂」が視認できます。
一方の副芽は、主芽の基部脇から予備として生えてくる性質を持ち、主芽に比べて線が細く、花穂が付いていないか、付いていても著しく貧弱です。ぶどうの芽かきで残す芽の基本原則は「1節につき、花穂を宿した充実した主芽を1本だけ残し、副芽は基部から指で横に押し倒すようにかき取る」ことです。力任せに引っ張るのではなく、芽の根元に指先を当てて横へ軽く倒すだけで、新芽はきれいに外れます。